産科入院
新生児マススクリーニング検査・
新生児拡大マススクリーニング検査

新生児マススクリーニング検査・
新生児拡大マススクリーニング検査のご案内
赤ちゃんの中には、生まれつき特定の病気をもっていても、生まれた直後には症状がみられないことがあります。
新生児マススクリーニング検査は、赤ちゃんから少量の血液を採取し、症状が現れる前に病気の可能性を調べる検査です。病気を早期に発見し、必要な精密検査や治療につなげることを目的としています。
当院では、公費で行われる通常の「新生児マススクリーニング検査」に加えて、希望される方を対象に「新生児拡大マススクリーニング検査」を実施しています。
2つの検査の違い
| 通常の新生児 マススクリーニング | 新生児拡大 マススクリーニング | |
|---|---|---|
| 検査の 位置付け | 公的事業として行われる 検査 | 希望者を対象とする追加検査 |
| 対象となる 病気 | 先天性代謝異常症など20疾患 | 新たに治療法が開発された7疾患 |
| 採血 | 生後4~6日ごろに採血 | 通常検査と同じ血液を使用 |
| 追加採血 | - | 原則として不要 |
| 費用 | 検査料は公費負担 | 5,600円 |
| 申込み | 出産後にご案内します | 出産後にご案内します |
通常の新生児マススクリーニング検査とは
通常の新生児マススクリーニング検査は、先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成症、フェニルケトン尿症をはじめとするアミノ酸代謝異常症、有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症など、20疾患を対象としています。
これらの病気は、出生時には元気に見えても、その後に発達の遅れ、意識障害、低血糖、肝機能障害などの症状が現れることがあります。早期に発見し、食事療法や薬物療法などの適切な対応を行うことで、症状の発症や進行を防いだり、軽減できたりする場合があります。
生後4~6日ごろに、赤ちゃんの足の裏などから少量の血液を採取し、専用のろ紙に染み込ませて検査します。検査料は公費で負担されます。採血・指導料等については、院内でご案内します。
検査結果に特に問題がない場合は、原則として1か月健診時にお伝えします。精密検査が必要と判断された場合は、1か月健診を待たずに当院からご連絡します。

新生児拡大マススクリーニング検査とは
近年、これまで治療が難しいとされてきた一部の病気について、新しい薬剤や移植治療などの治療法が開発されています。
新生児拡大マススクリーニング検査は、通常の検査対象には含まれていない次の7疾患について、病気の可能性を調べる検査です。
- 脊髄性筋萎縮症(SMA)
- 重症複合免疫不全症(SCID)
- ポンペ病
- ファブリー病
- ゴーシェ病
- ムコ多糖症Ⅰ型
- ムコ多糖症Ⅱ型
これらは、いずれも遺伝子の変化などによって起こる病気です。病気の種類によっては、症状が現れる前または症状が軽い時期に診断し、適切な治療を開始することが、その後の経過に影響する可能性があります。

脊髄性筋萎縮症(SMA)
全身の筋力が徐々に低下する病気です。呼吸、飲み込み、運動発達などに影響する場合があります。
現在は薬物療法や遺伝子導入治療などの選択肢があり、発症前または早期に治療を開始することで、病気の進行を抑えたり、運動機能の改善につながったりする可能性があります。
重症複合免疫不全症(SCID)
生まれつき免疫の働きが弱く、細菌やウイルスによる重い感染症を起こしやすい病気です。
早期に発見することで、感染症を防ぐための対応や、造血幹細胞移植などの治療を検討できます。
また、SCIDの赤ちゃんにはロタウイルスワクチンなどの生ワクチンを接種できないため、生後2か月から予防接種が始まる 前に診断することが重要です。
検査方法
新生児拡大マススクリーニング検査には、通常の新生児マススクリーニング検査で採取した血液を使用します。
このため、原則として新生児拡大マススクリーニング検査のための追加採血はありません。
検査費用
新生児拡大マススクリーニング検査の費用は、公的助成適用後5,600円です。
通常の新生児マススクリーニング検査とは異なり、新生児拡大マススクリーニング検査は、希望される方が受ける有料の検査です。
お申込み方法
新生児拡大マススクリーニング検査については、出産後に当院からご案内します。
検査を希望される方は、説明文書をよくお読みいただいたうえで、お申し込みください。
検査結果について
検査結果に特に問題がない場合は、原則として1か月健診時にお伝えします。
精密検査が必要と判断された場合は、1か月健診を待たずに当院からご連絡し、病気の種類に応じた専門医療機関をご紹介します。
検査を受ける前に
ご理解いただきたいこと
新生児拡大マススクリーニング検査は、現在、臨床研究および国の実証事業の枠組みで行われています。
また、この検査は病気の可能性を調べる「スクリーニング検査」であり、病気を確定診断する検査ではありません。
検査結果が陽性でも、精密検査の結果、病気ではないと判断されることがあります。
検査を受けるかどうかは、保護者の方の自由な意思で決めていただけます。検査を希望されない場合でも、当院での診療や入院中の対応において不利益を受けることはありません。
ご不明な点は、医師またはスタッフまで
お尋ねください。


